自分を知る怖さに向かい合う①
帰省した息子からさりげなく聞いてみたことがある。
いや、正しくは長いことアップに聞けずにいたことを
質問することができたと言うほうが合っている。
長男(アップ)は社会人3年目で大学生の次男(J)と二人暮らしをしている。
二人暮らし歴1年と少しである。
帰省した二人から生活の様子がおしゃべりの中に見え隠れする。
Jが秋の頃、メンタルが落ちて大変だった話が出た。その時にアップがいろんなアドバイスをしてくれたという。
秋は気圧の関係などから自律神経の乱れが起こりやすいと言われていて、Jからは無理をして頑張るよりも今の状態を受け入れて最低限のことをすることを勧められたこと。不調の時の Jは、思うように動けず、できなくて落込み、
さらにもがいて全部を辞めたくなってしまっていたという。
アップからは、ひとりで抱えないこと。周囲を巻き込め。
それには日頃から自分のことを人に伝わりやすいように話す。まずは自分のことを話せるように自分と向かい合っておくことがいいよと。 誰も自分のことはわかってくれないからね。
Jは アップに自分に起きていることを話し、必要なことの優先順位について一緒に整理し、最低限の動きで過ごしたという。「全部無理!」を「自分の中で少しだけ無理をする」にできて、苦しい時期を しのいだという。
確か、秋ごろに私はjから相談の電話を受けた。
「バイトを休まざるを得ない状況が起き、悪いけどお金の援助をお願いできませんか」と。
恐らく対策が練られた後にかかってきたのであろう。
Jが いつも持っている縛りは
人に頼ってはいけない。
自分で何とかしなければだめだ。
ちゃんとしなければいけない。
がある。
これは大切なことではあるが、苦しい時にJを締め付けていた。
その締め付けをほどくアップのアドバイスにjは助かったという。
アップは黙ってjの話を聞いていた。
そして
「俺もあったじゃん。そういうこと」とアップが言った。
「だから言えるんだよ」
私は アップの13年前から始まった例のアレのことを思い出した。
「そういえば、君にもそういうことあったよね。アレ、その後、どうなったの?」